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「あらしのよるに」シリーズ きむらゆういち/あべ弘士

公開日: : 最終更新日:2018/02/08 読んだ本 ,

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言わずと知れた絵本界の名作。
少し前にはTVで取り上げたり、ちょっとしたブームになっていたのを記憶しています。
絵本の業界でここまで盛り上がることって普段なかなかないので、当時かなり驚きな思いで見たものです。

 

今回私が読んだのは「あらしのよるに 完全版」
全7エピソードを一気に読めます。
1冊1冊だと「次どうなるの…!?」とハラハラしながら読み進めていくところを、完全版だと一度に読めるというストレスのなさ。
だけどこのシリーズの場合、この「次どうなるの…!?」というハラハラ感、緊張感も一つの愉しみだと思うので、子どもが小さいうちは1冊ずつ絵本で揃える方がおすすめです。

自分で一気に読める小学生頃になったら、完全版で全ストーリー通して読ませるのがいいですね。きっと何度も何度も読むことでしょう。

そう、「あらしのよるに」は世の中の不条理やうまくいかないこと、思うままにならないことなどが理解できるようになる、小学校に上がったくらいの子どもにぜひ読んであげたいお話です。

「あらしのよるに」シリーズってどんなおはなし?

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万一まだ読んでいない方のために、ネタバレはしないでおきましょう。

ヤギのメイとおおかみのガブは、ある嵐の夜に運命的な出会いをします。
最初はお互いを「ヤギ」と「オオカミ」だと分からずに出会ってしまいます。すぐに気が合って、また次に会おうと約束をします。
次に会ったときお互いの正体が分かるのですが、それでも2人は友情を優先し、会い続けるのでした…。

少し書くだけで、ドラマチックなストーリーですね!
何と言ってもきむら先生が書く文章が、リズム感があって、シンプルなのに情景描写が優れていて、2人の会話などもとても弾んでいて楽しい。
それがこの絵本シリーズの芯を作っています。

そこにあべ弘士の余計な情報を削ぎ落としたような、荒々しい線が世界感を作り出しています。

まさに、動物の本能がぶつかり合う世界!
きむら先生いわく、このシリーズのテーマは「本能と理性」だそうです。

このテーマは子どもから大人まで惹き付けるものがあるらしく、Amazonのレビューを見ると子どもと一緒になって夢中になって読んだ、最後は泣いた、共感した、すっかりはまってしまった。などのレビューが並んでいました。

 「あらしのよるに」の社会的影響

「あらしのよるに」シリーズは、第42産経児童出版文化賞JR賞および第26回講談社出版文化賞絵本賞を受賞しています。

また、TVアニメシリーズにもなり、舞台やアニメ映画にもなっています。
また最近では何と歌舞伎にもなっているんです!

歌舞伎繚乱 京都四条南座『あらしのよるに』中村獅童

うーん、アニメや映画はともかくとして、絵本の世界がここまで広いジャンルで扱われることってなかなかないような気がします。

「あらしのよるに」の魅力

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私が思う「あらしのよるに」の魅力について。
きむら先生が「これはまるで近松門左衛門の世界」「2人は心中するんじゃないか」と語られるくらい、危うい2人(匹)の関係こそが最大の魅力です。

途中、何度もガブがメイを食べてしまいたいと葛藤するシーンが出てきます。
それは迫真に迫っていて、読者も「これは食べてしまうんじゃないか」なんて思わされます。でも食べない。
お互い「相手といると落ち着く。気が合う」という理由で会い続けます。
種別を越えた何か。ソウルメイトとでも言うのでしょうか。
ちなみに絵本版では、メイはオス。これはきむら先生が「恋愛感情という余計な要素を持ち込みたくなかった」からだそう。反してTVシリーズではメイはメスという設定にされています。

「ガラスの仮面」じゃないけれど、惹かれ合ってはいけない相手に惹かれてしまう、そういうどこかエロティックな設定が大人もそそります。

そして「あらしのよるに」というドラマチックなタイトル。
次に「あるはれたひに」と続き「くものきれまに」「きりのなかで」「どしゃぶりのひに」「ふぶきのあした」「まんげつのよるに」でシメとなります。

自然の中で生きる2つの生き物の姿がくっきりと浮かび上がってくるようです。

きむら先生ってどんな人?

赤ちゃん向けから幼児向け、小学生向けのシリアスなストーリーまで何でも来い!
きむら先生の引き出しってすごいですよね。

実は私が現在受講している絵本講座は、きむらゆういち先生が開催している教室。

直接お会いしたことがありますが(話したことはない)、おヒゲぼうぼうで(失礼?)優しそうな目の、カリスマ性あふれる方でした。
他の受講生が発表していく隣で、腕を組んで眠そうにしていて、宮本えつよし先生から何度も「寝るなよ〜」とツッコミを入れられていたのが印象的でした。

絵本通信講座を選ぶ際に、ネットで見つけた他の教室とも迷っていて、最終的にきむら先生の教室にした決め手はこの本。

 

この本、すごく親近感があって面白く、分かりやすかったんです。
どうじに「やっぱり絵本作家って簡単になれるものじゃないんだあ〜」ということもよく分かりました。

でも、諦めなければいつか手が届くかも…!?なことも。

実際にきむら先生とご一緒したのはスクーリングの1回しかないけれど、「ここにして良かった!」と思いましたね。教室の雰囲気が温かく、楽しかったからです。

きむら先生と一緒に教室を開催されている、宮本えつよし先生の影響が大きいのではないかしら。

だってえつよし先生は、バリバリの関西弁でギャグばかり言っていて、すごくすごく楽しい人ですぐに大好きになれたから。
帰る時、雨が降っていて傘を忘れていた私に「ま〜適当に持って行きなさいよ」とビニール傘を貸してくださったのは良い思い出です。(そしてまだ返してない…)

これからも、きむら先生の絵本をたくさん読んでいきたいなと思っています。

そうそう、きむら先生を知る前に、我が家には既にこれらの絵本がありました。

 

上の2冊とも今も活躍中で、もはやぼろぼろになりつつあります^^;
絵本はぼろぼろになってこそ「役目を果たした!」という感じがありますよね。
私もぼろぼろにされる絵本を描いてみたいものです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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